織田信長の初回名物狩

今日の掲載写真は、NHKBSプレミアムのテレビ画面を撮影したもので、番組名は「へうげもの名品名席」です。
写ってるのは重要文化財の唐物肩衝茶入で、銘が「初花」、所有者は足利義政→鳥居引拙→疋田宗観→織田信長→織田信忠→松平親宅→徳川家康→豊臣秀吉→宇喜多秀家→再び徳川家康→松平忠直と変わりますが、その後いろんな経緯を経て、最終的には将軍家に献上され→現在は徳川宗家が所有。
テレビ番組は、中島誠之助が徳川宗家18代の恒孝氏から「初花」を見せてもらうという設定で、写真に写っている手は中島誠之助です。
番組の中で徳川恒孝氏は「初花」について、「徳川家がつながっているシンボル」って言ってますが、それくらい大切にしてるってことなんでしょうね。
さてその「初花」ですが、信長公記、永禄十二年の記事から一部を引用します。
『然而信長金銀米銭御不足無之間此上者唐物天下之名物可被召置之由御諚候て先
上京大文字屋所持之 一 初花 祐乗坊の 一 ふじなすび 法王寺の 一 竹さしやく 池上如慶が 一 かぶらなし 佐野 一 雁の絵 江村 一 ももそこ 〆
友閑 丹羽五郎左衛門 御使申金銀八本遣被召置天下定目被仰付
五月十一日 濃州岐阜に至て御帰城也』
そうですねえ、どんなことが書いてあるか雑に言えば、信長は、金、銀、米、銭などに不足しなかったので、この上は唐物、とりわけ天下の名物を召上げるようにという命令を発しまして、まず、
一.上京の大文字屋宗観が所持している「初花」
一.祐乗坊が所持している「富士茄子」
一.法王寺が所持している竹茶杓
一.池上如慶が所持している「蕪なし」
一.佐野家が所持している雁の絵
一.江村家が所持している桃底 以上
松井友閑と丹羽長秀が使者を務め、八本の金銀を支払って召し上げた。そして天下に、箇条書にして命令を発せられた。
五月十一日、美濃の岐阜に帰城なさった。
さて、「初花」のことは書きましたので、次に「富士茄子」という茶入ですが、現在は前田育徳会が所蔵しています。竹茶杓と茶入の「蕪なし」については、現在不明。
佐野家の雁の絵というのは「平沙落雁図」で、現在は出光美術館にありまして、重要文化財に指定されています。
最後に「桃底」というのは、形態によって花入につけられた名称で、江村家の桃底花入は、現在不明です。